ディープインパクト 凱旋門賞3着をうけて

きっと長くなるから、最初からExtend

競馬ファン以外も注目した、ディープインパクトの凱旋門賞挑戦。結果は3着ということで、世界最高峰の壁はまだあついねってことで、敗因を考えてみる

1.芝が合わないんじゃないか
よく言われることだけど、ヨーロッパの芝は深く力の要る馬場が特徴。さらに自然の地形を利用したコースになっていて、かつけっこうコースに穴が開いている(モグラが住んでいたりするらしい)らしい。
一方、日本の競馬場は人工的に作られたコースで、芝も浅めに刈り、レースが終わればきっちり地ならしをする。このため、馬場はけっこうパンパンになり高速コースの様相を呈す。

ディープインパクトは、この日本の芝で圧倒的な力を見せてきたわけだけど、その力は日本のような芝で発揮するのであって、欧州のような芝には向かないんじゃないか。
さらにディープインパクトは、稀に見る大跳びな馬で、その走る姿は”まるで飛んでいるかのよう”と評されるほど。逆に言えば、脚の回転は並の馬である。
従って、ディープインパクトの速さは、一歩の距離が長いことに特徴があるわけだけど、欧州の芝はその特徴が殺されるような芝なわけだ。

最近は少なくなってきたが、11月に府中で行われるジャパンカップに現役の凱旋門賞勝ち馬が出走してくることがある。これは、ジャパンマネーを駆使した種牡馬買いで、日本に導入される種牡馬のお披露目会とも言われるが(それ故、陣営は本気ではないと言われている)、必ずしもよい成績を上げているとは言えない。
むしろ、実績・人気はなくとも日本の芝に合うであろう馬を引き連れる、ドバイの馬が好成績を残すことが多い

なので、地力があっても力が発揮できないことはよくある話だ

2.ローテーションの問題
これは結果論でしかないが、休み明けで本番を迎えた今回は、武豊のコメントでは「ギアがもう一段上に入らなかった」という話。本調子ではなかったのかもしれない。このコメントは芝の問題かもしれないが、こればっかりは最適な解というのは難しい。
馬には、叩き良化型(レースを使って徐々に良くなっていく馬)と鉄砲型(ぶっつけ本番で最高の結果を出す馬)とあるが、ディープインパクトの場合はどっちだ?と言われると、前者かもしれないし、後者かもしれない。ある程度経験によりそれはわかってくるのだけど、ディープインパクトの場合、デビュー時から一流のローテーションできているため、出走回数はさほど多くない。それでも一般的な王道路線をたどってはいるが、一回叩いて本番という使い方をしている。

かつてエルコンドルパサーが凱旋門賞に出走したときは、欧州流のローテーション(欧州の競馬シーズンは、春から秋で日本の馬のように、有力場は夏休みをとらない場合が多い)で望んだ。結果は2着であったが、ディープインパクトを含めても、日本馬としても最高の成績である。

エルコンドルパサーのようなローテーションを組んでいたら、結果は違ったかもしれないが、競馬にたらればはないので、ここで言ってもしかたない。

3.レース展開の話
欧州の競馬は、道中は固まって進み、徐々にペースアップ。最後の直線でGoというパターンが多い。なぜかは知らないが、多くのレースがそうである。
一方日本のレースはというと、逃げ先行差し追込みがはっきりしていて、道中は縦長の展開になることが多かったりする。先頭から最後尾まで20~30馬身ほど離れるのはざら。

今回の凱旋門賞も例にもれなく、予想通りの展開であったが、予想外といえば、ディープインパクトの位置取りが前だったこと。
ディープインパクトが日本で見せたレースは、スタートがいい馬ではないのもあるが、スタートから道中は最後方をキープ、3コーナーから4コーナーにかけてまくり、直線で突き放すというもの。
これは強い馬にしかできない芸当ではあるが、この展開のメリット・デメリットをあげると、
・メリット
 追いかける馬をターゲットしやすい
 馬場の外側を通ることが多くなるため、直線で伸びやすい
・デメリット
 内側を走る馬より、外側を通らないといけないので、結果的に内側の馬よりも長い距離走らざるえない

サラブレッドというのは、視界に入る馬と併せたとき、競争意識が働き、早く走ることができるとされている
逆に視界に入らないところから音がすると、びびるため本来の力を発揮できないともされる
もちろんこれは馬の特性にもよるのだけど、今回の凱旋門賞では前でレースしたため、他の馬のターゲットにされたのは明らかである

エルコンドルパサーのときもそうだったが、あのときは鞍上の蝦名騎手曰く、「馬が行きたがっていたので、無理に抑えるよりは行かせるほうがよいと思った」そうな。けっかモンジューのマークにあい、直線で差されてしまったのだけど、今回のディープインパクトも同じようなところ。
思いのほか、スタートがよかったこともあって、前で競馬をしてしまった。武豊曰く、想定内のことらしいが、前で競馬をしたことがないような馬なわけだから、後ろで競馬がしたかったな。
競馬好きから言わせれば、日本で見せたようなレース運びでぜひ勝ってほしかったというのが正直なところ

4.斤量の話
凱旋門賞では、3歳馬と古馬では斤量に3.5Kgの差がある。
これは、3歳より古馬のほうが成長しているために設けられたハンデではあるが、3.5Kgの差は正直大きい。
日本では、2Kgの差をつけることになっているが、欧州ではなぜか差が大きい。
今年勝った馬も3歳馬なのだけど、過去10年を見ても、凱旋門賞を勝った馬は3歳馬が8頭と、結果的には3歳馬有利となっている。

もちろんこれは、ディープインパクトだけの話ではないが、ちょっと見直したら?と思える結果ではある。

今後、凱旋門賞を狙える馬というのは、あと10年ぐらい出てこないかもしれないが、本気で狙うのなら、日本ダービーを勝った後、菊花賞を捨てでも凱旋門賞へ進むというローテーションをとらないと厳しい気がする。

5.血統の話
近代競馬に登場する馬は、すべて血統書付である。それも数百年と脈々とつながる血統である。あたしの血統書以上に歴史があるわけだ。
現代では、欧州系とアメリカ系の血統に大まかに分けることができて、日本の有力場はアメリカ系の血統が主流を占めているよう。サイアーラインの話だけど。ディープインパクトもご多分に漏れず、アメリカ系の血統であるサンデーサイレンスの仔である。

過去の凱旋門賞勝ち馬の血統を見てみると、ほとんどといっていいほど欧州系の血統である。とは言っても、当たり前の話で、欧州で生産された馬が欧州で走って欧州のレースに出てくるのだから、凱旋門賞が欧州馬で固められるのは当然である。逆に、アメリカの馬は凱旋門賞にはなかなか出てこないし(輸送の問題なんだろうか?)、勝っていなくて当然ではあるのだけど。

サンデーサイレンスを筆頭に、日本で成功した種牡馬というのは、実に日本の馬場に合った馬を排出している結果である。
欧州で結果を残したいのであれば、欧州の血統を導入したうえで、日本で力を見せることができれば(馬場が会わないとしても)、その馬は欧州でも成績を残せるものと考えられる。

まー難しいやもしれんけど 

そろそろまとめに入ろう

日本の近代競馬の歴史は、約100年。今の様式になってからは70年と言われているが(諸所あるようだが)、欧州の近代競馬の歴史は300年以上と言われている。
イギリス、フランスは我こそ競馬の本場と自負してならないわけで、格式の面でもターフ競争では今もなお、最高峰とされるレースは欧州3冠(英ダービー、キングジョージⅥ&クイーンエリザベス・ダイヤモンドS、凱旋門賞)であって、ジャパンカップなんかではない。(但し、ダートの世界はまた別だが)
その本場のホースマンに言わせれば、極東の島国の馬なんてうちの馬に比べれば子供みたいなものだ、と揶揄されてきた。
が近年になり、海外種牡馬導入で成功を収めるようになってきて、日本馬の評価は上がってきている。今回のディープインパクトが大手英国ブックメーカーが1番人気に支持したり、ハーツクライがキングジョージで3着と好走したり、ドバイ・香港でも優勝場が出たりと、評価をあげる材料はそろってきている。

このままいけば、近い将来に本場欧州の最高峰を制する日本馬が登場しても、なんらおかしくない。
もはや、ダビスタやウィニングポストの世界だけではない
そう10年前は思っておりました
が、やはり300年の歴史の壁はあついよお
でもあきらめてはいけない。日本にホースマンがいるかぎり

ディープインパクト 凱旋門賞3着をうけて」への3件のフィードバック

  1. kobushi

    ディープって、意図的では無いにせよ日本じゃ出遅れる事が多い馬。結果的にそれがディープの脚質にあってた。しかし凱旋門賞ではディープらしからぬスムーズ過ぎるスタート。前に押し出された後、鞍上も途中で抑えようとしてたけど、綺麗に出過ぎたせいでディープ自身が下がるのを嫌がってるように見えた。

    まあ、負けは負けとしてBCターフ挑戦のプランもあるらしいので、今後に期待するべさ。

  2. スケベ様

    やっぱ斤量差でしょ( ´_ゝ`)
    元々小さい馬なんだから59.5はきついっしょ。
    スタートは今までのレースで一番よかったんじゃないw

    結論 BCにしとけばヨカタ。

  3. だえもん

    道中武が抑えてたしなぁ、結果予想通り最後差されてましたorz

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