デジタルと著作権と

本日付の読売新聞からの記事

ようやくすると、現在は地デジやBSデジタル放送で利用されている、コピーワンス信号により1回しか録画複製ができない規制を9回までコピーできるようにしてよ、って総務省が関係団体にお願いしますよーってお話。

この手のAV関係にはあまり詳しくないのだけど、ちょいと勉強してみた。

コピーワンスってのは、HDDレコーダーなんかでTV番組を録画したとき、DVDに移し変えるのを1回だけに制限してしまう機能で、DVDに移し変えると、HDD内のデータは削除される。また、DVDからDVDへのコピー(孫コピー)はできないというもの。
これが9回までコピーできるけど、9回目にコピーすると元のデータはHDDから削除されるっつー話なんだね。
で、DVDからDVDへのコピーは今までどおりでいきましょうっつーことらしい。

要するに、不便なままデスネ。

1回も9回もはっきりいって、そんなに変わらない。
問題は、孫コピーができないというほうだね。
ユーザーの利便性よりも、業界の利益が優先されている現状には変わりない。

現在の一般的な最新AV機器を考えつつ、利用方法を探ってみると、
1.HDDレコーダーに好きな番組を保存する
2.HDDレコーダーのHDDが容量一杯になってきたら、DVDへ退避
3.また見たくなったら、DVDで再生
こんなところだろうけど現在許されているのは、ここまで
そこから、BDレコーダーを買ったので、DVDからBDへデータを移し変えることはできないし、さらに次世代メディアが登場してもデータの移し変えはできない。
また、DVDがマスターとなるわけだけど、DVD-Rの構造上、何十年も品質を維持することはできないはず。
(CD-RやDVD-Rの表面には薬品が散布されていて、その薬品に光を当てることで、ビットパターンを形成し0と1を決めている。この散布されている薬品は時間とともに劣化し、しまいには読み取りが不可能となってしまう。たしか10年ぐらいが品質保持の目安)
すなわち、今DVD-Rに焼いて保存したTV番組が10年後同じように見れる保障は、どこにもない。

デジタルのメリットとは、メディア(媒体)を選ばないということであるが、現在は事実上制限されているわけだ。

このコピーワンスという機能は、放送局側がTVドラマなど制作、放送し、後日にDVD化などして商品化して収益をあげているわけだけども、海賊版の流通により収益が圧迫されるため、導入したという経緯がある。
ことデジタルとなると、アナログと違いコピー時に劣化をしないため、ことさら問題視される。

だけど、この問題視されているコピー時の劣化はたいした問題ではない。

よくよく考えると、データの形式を換えると、劣化が起きてる。
DVDの内容をyoutubeなどの動画サイトにアップロードしている人がいるけど、明らかに劣化している。
だが著作利権的には問題である。

画質にこだわる人であれば、マスターデータ≠劣化データなわけだけども、
画質にこだわらない人なら、マスターデータ=劣化データなわけだ。

そもそも、コピーワンスの問題は、コピーキャンセラなどの機器を使えば、回避することは可能であると思う。
(よく実情を知らないから、間違っているかもしれないが、明らかに地デジ放送だろうという番組がyoutubeなどで見れている現状からすると、回避方法が存在することには間違いはないと思う)
したがって、本来の建前であるネット流出対策などはほとんど効果をなしていない。
あくまで利権保護のためだけに存在する規制と考えて問題ないだろう。

読売の記事にもあるが、こんな規制をかけているのは日本だけで、海外でも運用していない。
海外といっても、先進国が運用していないわけで、日本がいかに異常なまでに規制されているかがわかる。

著作権管理は行き過ぎると、コンテンツの衰退を辿るということを、歴史から学べないんだろうな。。。

以下、読売新聞の記事、原文。

デジタル放送番組、コピー9回までOK…総務省が要請へ

 デジタル放送のテレビ番組をDVDレコーダーに1回しか録画できないよう、特殊な信号を使って制限している「コピーワンス」について、総務省は6日、DVDなどに9回までのダビングを認めるよう、放送局などに要請する方針を明らかにした。

 来年にも大幅に緩和され、家電メーカーは対応する機種を販売する見通しだ。録画した番組を編集したり、同じ番組を複数のDVDなどにダビングできるようになり、視聴者の利便性が高まるとみられる。

 コピーワンスは、地上デジタル放送やBS(放送衛星)デジタル放送の電波に特殊な処理をして、番組録画を1回に制限する仕組みだ。デジタル放送はダビングを繰り返しても画質が劣化しない特性があり、番組を複製した違法DVDを販売するなどの著作権侵害を防ぐため、放送業界と家電業界が2004年、自主ルールとして始めた。

 総務省は情報通信審議会(総務相の諮問機関)の専門検討委員会が12日に示す予定のコピーワンス緩和を求める答申案を踏まえ、放送業界などに大幅な緩和を要請する。難色を示していた放送局や著作権団体も歩み寄る見通しという。

 要請でダビングの回数を9回までとするのは、家族3人の平均的な世帯で各自がDVD、携帯電話、携帯型音楽プレーヤーなど3種類の機器にダビングできるようになり、「個人で十分に楽しめる範囲」と判断したためだ。

 10回目にコピーした際、DVDレコーダーのハードディスク(HD)に録画した番組は自動的に消去される。ダビング先のDVDから他のDVDなどに再びダビングする「孫コピー」やインターネットへの配信は、従来と同様に制限される。

 現在のコピーワンスの仕組みは、DVDレコーダーのHDに録画した番組を、1回に限って「移し替え」ができる。ただ、同時にHD内のデータは消され、移し替えた先のDVDから他のDVDなどに再コピーもできない。すでに販売されているDVDレコーダーは、機能面でコピーワンスの制限緩和に対応していないため、従来と同じく1回の移し替えしかできない。

 デジタル放送のダビング制限について、海外では、09年のアナログ放送終了を控えた米国でコピー制御が計画されたが、実施されていない。フランスや韓国でもダビングの制限はなく、コピーワンスは日本独特の慣行とされていた。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070707it01.htm