「HMO a.k.a PAw Lab. – 初音ミクオーケストラ」 を今更入手

このエントリーは長くなるぞ。

まずは思い出話から。
私はYMO(細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一)が好きで仕方ない。個々の思想は別として彼らが出す音が好きで仕方なかった。年齢的にリアルタイムで聞いていたわけではない。私がYMOを初めて聞いたのは、たまたま家から父親が所持していたと思われるYMOのカセットテープを発見した時だ。おそらく小学校の高学年ぐらいだったと思う。だいたい今から20年ほど前の話だ。

当時流行っていた音楽はなんだろう?と今思い返せば、バンドブームが終焉して、ガールズポップが隆盛を極めつつ、Be-ing系全盛期にさしかかろうとしていた頃だろうか。アイドル冬の時代とも言われていたような気もする。これが90年前後のお話。Be-ing系はもうちょっと後かもしれん。

その数年後、小室哲哉全盛期がやってくるわけだが、そのちょっと前ぐらいに、私はYMOを聴きまくっていたわけだ。

YMO自体は70年代後半から80年代前半にかけての活動時期しかない。94年に一度再結成しアルバムをリリースしたが、その時には私はすでに懐古厨になっていたので、がっかりした覚えがある。さらにそのあたりで、大量のリミックスアルバムが市場に投下され、これをアルファ商法と揶揄されることとなる。この頃は私のYMO幻滅期と言ってもいい。

そうしたなか原点に戻るべく、98年だったろうか、私は大学生となっていたわけだが、YMOのオリジナルアルバムが復刻CDとして出るという情報をキャッチして、大学生協で全部取り寄せてもらって購入し、やはりオリジナルだよねーとさらに懐古厨として上のステージに駆け上がるのであった。

時は流れて2007年。私はニコ厨になっていた。その頃にはYMOを聞くことは稀だったというか、そもそも音楽自体あまり聞かなくなっていた。2007年の9月頃、ニコニコ動画をうろついていた私は衝撃を受けた。当時、初音ミク関連の楽曲が増殖していく中で、ふと見つけたのがこの動画だ。

オリジナルの「君に胸キュン」は、いい歳こいたおっさが、「きーみーに、むーねキュン!」「キュンッ」という歌詞を歌うというギャップがシュールな笑いを誘うわけだが、初音ミクで”演奏”することにより、その歌詞がしっくりくるというなんとも不思議な感覚に襲われたものだ。

今でこそ、Vocaloid系の楽曲の音作りとか、構成とか、レベルが上がって、それこそオリコンで上位に入ってしまうようなモノがニコニコ動画にアップロードされていたりするわけだが、当時はまだそこまでの域に達しているものは、数えるほどしかなかったと記憶している。当時アップロードされていた中でも群を抜いてレベルが高かったこの動画を見てこの人の動画を追っかけようと決めたわけだ。

するとどうだろう。異常なまでにハイペースで動画がアップロードされていくではないか。2007年9/20~2007年9/30、わずか10日あまりで10本の動画がアップロードされている。常識では考えられないペースだ。

YMOのファンでDTMを扱う人は、MIDI時代にYMOのコピーやらアレンジやらに挑戦した人というが結構いるという。この作者もおそらく同じで、いろいろコピーをしていた経験があり、楽曲自体は溜め込んでいたのだろう。そうでないと説明がつかない。そうでなければ「あんたどうなってんだよw」とツッコミを入れざるを得ない。

YMOのボカロアレンジを積極的に動画をアップロードする過程で誰かがコメントで、初音ミクオーケストラ(HMO)とコメントしたことから、作者はHMOを名乗るようになったのだが、他にもYMOのボカロアレンジの動画をアップロードする人もいたので、HMOの中の人と呼び名が変わっていった。
YMO関連の楽曲再現性などレベルが高く、ユーザー(主に懐古厨的なオッサンだと思うが、私も含めて)が高音質化したCDの販売を求める声が大きくなる。そしてコミックマーケットC75で販売されることとなるのだが、”瞬殺”されたとのこと。その後委託で販売されるも完売。私も欲しかったのだが、入手性の難しさから諦めていて、さらに記憶から薄れていってしまった。

最近はHMOの中の人の活動は、オリジナル楽曲の活動が中心で、YMOからは距離が離れてしまった感もあり、私も追っかけていなかったのだが、入手困難だったCDの一般流通が行われているという事に気づく。しかも去年から一般流通してたなんて・・・
そのアルバムがこちら。

Hatsune Miku Orchestra
Hatsune Miku Orchestra HMOとかの中の人。(PAw Lab.)

JOINT RECORDS / Third-Ear 2009-08-26
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おすすめ平均 star
starまとまり感が良い
starこういう形もいいじゃないか!
starやられたねw

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ようやく今頃になってこのCDを入手しました。はい。
まぁーニコニコ動画に上がっていた動画からmp3を抜き出して、カーナビに突っ込んでいたりしたわけですが。

このアルバムの構成は、基本的に83年のYMO散開ライブの構成(アルバムで言うと、After Service)をトレースするかのような作りになっており、1トラック目がプロパガンダから始まるという内容。そして東風につながる。楽曲も散開ライブをトレースするかのようなアレンジが中心だ。

アマゾンのレビューでは、概ね好意的に受け止められているようだが、一部の低評価は2通りにわかれていて、1つはYMO原理主義者(アルファ商法の被害者の会)、1つは典型的なキャラクター崇拝のボカロ原理主義者によるもの。
前者は、過去にリリースされた大量のYMOリミックスに嫌気をさしている者達で、このCDもそれのひとつだと指摘する。
後者は、YMOはよく知らないけど、初音ミクのCDだから買ったけど、あんまり歌ってないし、変なエフェクトかかってる曲もあるし(それボコーダな)と、他の初音ミクCDと同じノリで購入してしまった偏狭的な者による指摘。

それぞれ言いたいことはわかるが、これそーいうのじゃねーから!


この曲とか全体5分の曲で、歌詞が登場するのは3分34秒からだ。そういう曲なんだよ!YMOの楽曲はインストが多いんだよ!YMOの代表曲でもあるRYDEEN入れないなんて事はありえないし、アルバムの構成が散開ライブをとってるのに、テクノポリス~RYDEENの繋ぎを入れないなんてありえないんだよ!!

私個人としては、このアルバムは実験データの発表だと思っている。Vocaloidが知名度を上げていく中で、YMOの楽曲と組み合わせたらどうなるのだろうという「単純な思いつき」を実装した実験がHMOであり、このアルバムは実験結果をまとめたアルバムであるという考えだ。したがってアルファ商法の中から出てきたモノとは違うアプローチであると考える。

YMOを知っている人にも、知らない人にもぜひ聞いてもらいたいアルバムである。
書き下ろしの4コマ漫画もあるよ

HMOとかのコメント返信用ブログ
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