日本の同人ゲーム界も世界へ打って出る時代がやってきたでござる

本日はsteamに関する記事をもう1本。
ちょっと今更感のある記事ではあるが、エポックメイキングになりうる可能性があるので、是非とも触れておきたい。

これは日本の同人ゲームももっと海外に出て行こうZEという主題の記事である。

日本の同人ゲームが、steamで、gamersgateで販売されるようになった。

Recettear: An Item Shop’s Tale
ルセッティア ~アイテム屋のはじめ方~
steam – http://store.steampowered.com/app/70400/

開発の公式サイト: EasyGameStation
開発者のブログ: murachayaBlog
英語版のローカライズを担当した会社: carpefulgur

C73で発表されたこのルセッティアは、もともと評判のいいゲームだったらしい。同人ゲームには疎い私であるから、まったく知らなかったわけだが、steamに登場して初めて知ったくちである。国内のゲームを海外流通経由で知るということはなんとも感慨深い。

carpefulgurというおそらく小さな会社が、英語版のローカライズを担当して、steam、gamersgateで販売をしたところ、一ヶ月間で26000本売り上げたそうである。反応としては上々のようで、海外レビューでもなかなかの高評価なようである。

日本の同人ゲームがsteamで販売を開始したのは、今回が初めてであるが、出足としては大成功と見ていいのではないだろうか。

日本の同人ゲームの歴史を振り返れば、ファミコン以前まで遡ることが出来る。
それこそベーマガに掲載されたコードを打ち込んで遊び、それを改造したりといった時代があった。
今でこそ上場企業となったコーエーテクモの前身の光栄だって、昔はシブサワコウが一人黙々と開発し、カセットテープを通販で売っていた時代があった。ファミコンが登場して、光栄はシミューレションを作るというゲーム会社として成長していった。一方で、コミックマーケットなどで販売を主とする同人ゲームサークルは脈々と存在していて、メッセサンオーなどで販売されていたりするわけだ。

同人ゲームのメジャー化という流れは、ゼロ年代にはいくつかの例がある。
有名どころを挙げると、「Fate – Stay Night」、「ひぐらしのなく頃に」などがあるだろう。
前者は、元々同人サークルだったTYPE-MOONが商業デビューした作品となるので、同人ゲームとは言えないかもしれないが、同人ゲームの流れをくむという事で理解してもらいたい。
両方共サウンドノベル形式のゲームだが(ただし後者は、選択分岐もないただの絵付きのノベルであり、私個人はゲームとして認めていないが)、メジャー化に伴い、アニメ化やら、コンシューマーへの移植としての方向へ進んでいった。海外への流通はメジャー化したものが流通するといった流れだ。

その他のところで今最も有名な同人ゲームと言えば、東方シリーズだろう。
これはこれで、サブカルチャー界で今までにない方向へ進んでいて、東方界隈の動きを考察する文化人は多数存在する。詳細は彼らの考察を見てもらうとして、東方シリーズの大本である「上海アリス幻樂団」がリリースするシューティングゲームは、少数であろうが確実に海外にファンが存在する。
確認するに、海外のファンは確実に東方シリーズをプレイして遊んでいる。日本国内で正規流通しているにもかかわらず、その入手性は低い。メッセサンオー行けば買えるだろうが。しかし海外のファンはどうかというと、流通していないんだから割れでプレイするしかないよねという方向に進んでしまうのが眼に見えている。非常にもったいない。

基本的に日本の同人ゲームは、日本国内しか見ていない。
そこ事自体は悪いことだと指摘するつもりはない。
あくまで内輪で愉しむために作ってるんだ!ただ作ることが楽しいんだ!という考えで開発に勤しんでいる人たちだって多数いるだろう。

しかしそれは少々勿体無くないか?というのが私の考えるところ。
人の目に触れられる前に終わってしまうよりは、多くの人の目に触れられて、購入して遊んでもらう判断をしてもらったほうがよいのではないか。その機会は以前よりもはるかに大きくなっている現実がある。

XBox360では、XNAによる同人開発のゲームが、XBox Liveで流通するようになった。もちろん日本人開発のゲームだってある。一部の同人ゲームサークルは、XBox Liveのほうへ流れていったようであるが、まだ日本の同人ゲームの中心はPCゲームであることに違いはない。
また一部はApple App Storeに流れているかもしれない。

現在の同人ゲームは、18禁なエロだったり、ローカライズしにくいサウンドノベルだったりと、ちと海外マーケットには出せないのが多かったりするが、そうでない同人ゲームは是非とも海外に打って出てもらい、日本のゲーム産業の裾野は広いということを世界に示してもらいたい。

以上
以下、補足。

  • 18禁ゲームはさすがに海外じゃ法的に売れない。
  • サウンドノベルがローカライズしにくいのは、文量もさることながら、日本語特有の言い回しが英語で表現出来ない事が多い。例えば、オタク系コンテンツでは”先輩”というフレーズが日常的に使われるが、英語に”先輩”を意味する言葉がない。アニメなどでは”SENPAI”とそのまま表記して、補足説明を入れているなどしている。そのためか、最近では”SENPAI”がそのままの意味で英語圏の人に通じてしまう場合もあるらしい。
  • 神主の東方シリーズは是非とも世界に打って出てもらいたいな。文化・考え方が違うから難しいのかもしれないが。
  • 同人ゲームの話ばっかりだったが、本来ならファルコムや工画堂やらPCゲーム開発を頑張ってきたところが真っ先にやるべき事なわけだが。