JUMP SQ.Dエディションが思いの外ヒドイ方向に進んでしまった件について

最近になってなのか、いつから開始したのかよく分かっていないのだけども、JUMP SQという漫画雑誌がある。まー分厚い月刊誌なので電車の中で読むわけにもいかず、購入する気力さえ失われるような雑誌なのだけども、集英社の中では電子化が進みつつある雑誌ではある。

昨年の秋ぐらいだったか、姉妹誌にあたるJUMP SQ 19のデジタル版というのが、iPhone/iPad版で登場した。おそらく試験的な配信であるのだが、ビューアーはそれまでに出されたものよりはマシで、概ね評価を得られたわけであるが、昨年末に装いも新たにJUMP SQ.Dというアプリで再登場した。

大きな違いは、アプリ内課金で、書籍を追加していけるというところだろう。
現時点では、JUMP SQ 19春号と夏号は無料で配信されている(ただし一部の漫画は配信されておらず抜かれているのだが)。
そしてJUMP SQ 19秋号が450円という価格設定である。
まぁーここまではいい。

問題はJUMP SQ 19秋号である。

これは、アプリを起動してストア画面を開いたときのスクリーンショットであるが、秋号の注意書きをよくみるとこうある。

※「迷い猫オーバーラン!」「帝一の國」「1/11 じゅういちぶんのいち」「モテ虫王者カブトキング」は掲載されておりません。あらかじめご了承ください。

画面全体を見ると、迷い猫オーバーラン!は掲載されていて当然だと思われるのだが、なんと掲載されていないのだ。
看板タイトルであるはずの迷い猫オーバーラン!が掲載されていないという、どうしょもなくやる気のない集英社に幻滅しつつ思う。
これはないだろう・・・

どうしてこうなってしまったのか、理由を考えることにしよう。予め断っておくが、ここで導きだされる結論は、当然ながら集英社のコメントとかを参照していない。大人の事情を勝手に妄想しているだけなので、まったく間違っている可能性が十分にあるという前提で読んでもらいたい。

1. Appleコードに引っかかるのを恐れて自主規制、もしくは引っかかったら掲載取りやめ
 Appleはエロに厳しいと言われている。というか実際厳しい態度で出てくるわけで、アプリの申請をしてもあっさりリジェクトするのがアップルである。実のところAppleの前にはエロの表現の自由はない。
 で、迷い猫オーバーラン!であるが、作者の矢吹健太朗の描く絵はやはりエロ要素が強い。しかし不可解なことに、夏号ではOKだったものが秋号ではNGとは納得のいかないところである。まぁー秋号は読んでいないのだから、正確なところはよくわからないのだが。
 他の削られたタイトルはエロ要素のため削られたとは思えず、可能性は0ではないにしろ、要因としては薄いと思う。

2. 紙媒体へのインセンティブ
 Appleコード問題よりは、こちらのほうが比重が高いと思う。出版社として紙媒体は守りたいのだ。大きな出版社には部署として印刷局というのがある。そこに人員がいるため、どうしても紙媒体は守らなければならないという思惑が働く。
 そうなると、電子版にはないインセンティブを紙媒体へ与える必要が出てくる。しかし、そう簡単にインセンティブを与えることは難しい。であるならば、電子版は不完全版として配信し、紙媒体を完全版とすることで、相対的にインセンティブを与えるという方針を取ったのではないか。

というのが私の考えである。

おそらくこの傾向は、大きな出版社ほど強い傾向になると推測する。逆に小さな出版社は、印刷コストを下げる事のほうが重要になるように思える。例えば、コミックゼノンはほぼ全部配信している。もちろん紙媒体へのインセンティブは存在していて、付録としてDVDが付いてきたりするのだが、こちらはオマケが付属しているのであって、本体のほうはほぼ全部配信しているので、読者としては不快感はない。一方で不完全版を出されても、不満が募るばかりである。

まだ今年も始まったばかりであるが、電子書籍の明るい未来は今年中に見れるのか不安である。