【本当は怖い昭和30年代 ~ALWAYS地獄の三丁目~】 読了

本当は怖い昭和30年代 〜ALWAYS地獄の三丁目〜
本当は怖い昭和30年代 〜ALWAYS地獄の三丁目〜
鉄人社 2012-07-24
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twitterのタイムラインにこの本の事が流れていて、非常に気になったのでamazonで注文してみました。

どうも結構売れているらしく、注文から1週間程度で到着。大手出版社ではなく、鉄人社という小さな?出版社から出ている、いわゆるコンビニ本の類ですが、中身はぼちぼち興味がそそられる出来じゃないかと思います。

前書きを引用しますと

暴力とカネが全て
日本の暗黒時代へ、ようこそ!

ここ数年、『古き良き昭和』を懐かしむのがちょっとしたブームになっています。
そして、そのノスタルジィを一番感じさせるのが昭和30年代だそうです。

往時を知る人たちからすると、昭和30年代は『みんな貧乏だったけど』『人情が
あって』『夢も希望もあった』そうで、今の日本人が失ってしまった大切なもの
が残っていた時代だったとのこと。
当時を舞台にして大ヒットした映画『always 三丁目の夕日』シリーズもそう
いったイメージを下敷きにストーリーが作られていました。

しかし、そんなノスタルジィが極端に美化されたものだということは、ちょっと
調べればすぐに分かります。
当時の日本、もとい日本人はまだ成長途中で、明らかな非常識が常識としてまかり
通り、モラルもへったくれもない時代でした。毎日がサバイバルであり、一歩外に
出ればそこに広がるのはカオス。貧富の差は激しく、ドロドロした人間関係は人々
をがんじがらめにしていたのです。

もちろん、娯楽映画の中のいい時代を批判するつもりは毛頭無いし、真実を描
いていない! などと高説をたれるつもりもありません。ただ、あまりにもキレイ
すぎると、ウラ側にある汚い部分も覗いてみたくなるもの。

本書を昭和懐古ブームのネガティブな解説本として楽しんで頂ければ幸いです。

こういう本です。簡単に言ってしまえば、「なんか昭和30年代が古き良き時代として語られてるけど、実際はそうでもなかったじゃん」というお話ですね。

全体を通して見ると、昭和30年代が「いかにモラルが低く、法整備も追いついていない、いい加減な時代だったか」というのがわかります。

記載されている多くは、すでに私の知識の範疇にある事柄ばかりでしたが、一部は新たな知識とあいなりました。例えば、昭和38年まで、全国の自治体には救急車の配備が義務化されておらず、救急車が普及していなかったそうで。考えてみれば、電話自体さほど復旧しておらず(電話の加入権も高かった)、救急車呼べるような体制でもなかったよねって話です。

全体的にデータ(数値)を掲載していますが、表にまとめたようなものではなく、本文中に記載する程度で、もう少しデータを細かく掲載してもらいたかった。そこは残念です。

この本は、6部構成になっており、

  • 日常編
  • 社会編
  • 学校生活編
  • 交通編
  • 犯罪編
  • その他なんでもあり編

という構成です。私がこの本を手にとって、一番興味を示していたのは、犯罪編です。

交通編では、かつては車も、電車も、飛行機も事故が多かったって話が掲載されているわけですが、昭和の歴史を事故というくくりで見ていくと、大まかに「いっぱい大規模な事故あったし、大勢の人が事故で亡くなったね」というのがすぐにわかります。学校生活編も、「昔の教師は体罰は当たり前」というなかば常識の範疇であり、新鮮味がある話が載っているわけではないのです。日常編、社会編もしかり。

一方で、犯罪に関してはいわゆる凶悪事件とされる有名な事件はたくさんありますし、そこそこ知られていると思います。ですが、あまり有名ではないが、凶悪な事件だったり、猟奇的な事件も多数あって、忘れ去られている事件も多くあるわけです。さらに事、少年犯罪ともなると、現在では扱いづらい事象であるため、多くが忘れ去れているのではないかなと思うわけです。

で、期待していた犯罪編ですが、私の期待には応えてくれませんでした。残念。

昭和の少年犯罪に関しては、こちらのサイトが詳しいです。

少年犯罪データベース
http://kangaeru.s59.xrea.com/

全体を通して見れば、興味をそそられる昭和の負の部分を再認識できる。良書だと思います。

個人的にへぇーって思ったことは、先に挙げた救急車以外の話もあります。いくつか挙げると

  • 昭和30年代にはすでに援交という言葉があった
  • 私は援交という言葉は90年代からのものだと思っていた
  • プライバシーのない相互監視社会だった
    • いわゆる村社会の話とリンクするお話です
    • おとなりさんの年収なんて把握していて当然って世界
    • ひろみちゅならなんて言うだろう
  • 子供がナイフを持ち歩くのは当たり前
    • 鉛筆削り用に、玩具自作道具として
    • とうぜん、トラブルがあればそれでぶっさす
  • テロは頻繁に起こっていた
    • 平成の日本でテロはほんと少なくなりましたね
    • 平成で特筆すべきは地下鉄サリン事件とかオウム関連のテロぐらい
  • ヒロポンは普通に流通していた
    • 合法だった戦後間もない頃はわかるけど30年代も流通していたのか
    • もちろん非合法で、いわゆるドヤ街を中心に流通していたとか
    • 昭和40年頃になるとヒロポンからシンナーに移っていったそうな

    と挙げていたらきりがないので、このへんにしておきますが、550円の本ですが暇つぶしにはよい本かなと思います。