12月3日付けで角川の電子書籍プロジェクトがオープンしたわけだが、グランドオープンは来年の7月。すなわち現時点ではβバージョンという事で、「こんな感じで行きますよー」というメッセージをユーザーに投げ掛けている段階と個人的に思っているわけだ。
というわけで、iTunes Storeに登場したアプリをインストールして、感じを掴んでみた。
BOOK☆WALKER(iTunes Store)
http://itunes.apple.com/jp/app/bookwalker/id404123731?mt=8
現状では、コンテンツはさほど充実しているわけではなくて、約50作品程度に収まっている。今後、コンテンツは拡充していく予定であり、そのあたりは期待しよう。(ローンチコンテンツはコチラで確認)
さて、iPadのアプリでこのアプリをチェックしてみた。
まず、気づいたことは、VOYAGERのシステムを組み込んでいることがわかる。iPhone/iPad向けの書籍系アプリでは定番となってるシステムである。
読書の感じ
無料で確認ができるコンテンツがいくつか用意されているので、それで動作を確認してみることにした。
無料の立ち読み版では、プロローグと第1章の自己紹介をする手前までと、ほんの触りのところまでだが、どのような感じで読めるのかを確認するには、十分である。
(長くなるので続き)
さて、早速確認してみたわけだが。結論から言うと、ガッカリした感が強い。
横表示はまだいいのだが、
iPadを縦にしたときは、明らかにiPhone/iPodを意識したサイズになってしまう。
ビューアの機能としては、文字サイズは大小の切り替えは可能。
しかし栞機能など、読むための機能が見当たらない。栞機能がないのは、非常に問題があると思われる。かわりにインデックス機能があるのだが、目次として機能するわけでもないようなので、小説などでは微妙である。
だが、あまり必要とは思われない、横書き表示機能はあったりする。これは謎だ。
ビューアの機能拡張を望むところだ。
価格
ライトノベルの価格は450円が主流。コミックは350円~450円が主流。
文芸・新書は価格帯に幅があるのだが、全体的に見れば本屋に並ぶ価格から1割~2割ほど安く設定されていると思ってよいかと。
実のところ、日本の書籍価格は世界的に見れば安いので、流通から「取次ぎ」を抜いたところで、さほど価格が下がらないという事もあり、価格面でのインパクトは薄い。
DRM
iPhone/iPad版だけの確認になってしまうのだが、コンテンツの購入はアプリのアドオンとして購入という事になるようだ。従って、読書権はAppleIDに紐付けられるので、再ダウンロードの心配はなさそうである。
だが、今後リリースされるであろう、別プラットフォームにコンテンツの移動は不可能である。当然、これは不便としか言いようがない。iPhoneからAndroid端末に移行したくても、コンテンツが移行出来ないのだ。これは大きな課題である。
あとiPhone/iPad版で不安に思っているのは、iTunes Appsのアドオンは最大で1000までという制限があったと思うのだが…あれは解除されたか、緩和されたのだろうか?そうでなければ、BOOK☆WALKERの最大コンテンツ数は1000ということになるのだが…
これは要調査である。
まとめ
やっぱりガッカリ感が否めないわけだが。今後に期待出来る部分と、出来ない部分を整理すると、ビューアの改善はある程度期待は出来ると思われる。しかし、DRMまわりの制限はどうしようもない状態でリリースされてしまってるので、これは改善されることはないだろう。
現時点では、林檎教団の信者様以外にはオススメ出来るプラットフォームにはなっていない事は残念である。
グランド・オープンは来年で、他のプラットフォーム展開も予定されている。他のプラットフォームでDRMがどのようになるのか、現時点では不明な点が多い。このあたりを注目していきたい。